「毎月広告費を使っているのに、問い合わせが増えない」「どの広告が効果があるのか分からない」そんな悩みを抱えている工務店の経営者の方は少なくありません。
実は、多くの工務店が広告費の半分以上を無駄にしてしまっているのが現状です。チラシ、看板、ポータルサイト、SNS広告など、様々な広告手段がある中で、効果測定をせずに「なんとなく」続けている広告が、知らず知らずのうちに経営を圧迫しているかもしれません。
しかし、適切な改善を行えば、同じ予算でも2倍、3倍の成果を出すことは十分に可能です。
この記事では、Web知識がない方でも理解できる、工務店がやりがちな広告の無駄コストと、すぐに実践できる改善方法を5つのカテゴリーに分けて解説します。
限られた予算を最大限に活かし、確実に問い合わせにつながる広告戦略を学びましょう。
効果測定できていない広告への無駄な投資
どの広告から問い合わせが来たか把握していない
問い合わせがあったとき、「どこで当社を知りましたか?」と必ず聞いていますか。
多くの工務店は、月に10件の問い合わせがあっても、そのうち何件がチラシから、何件がホームページから、何件が口コミからなのかを把握していません。
この情報がなければ、どの広告を続けてどの広告をやめるべきか判断できず、効果のない広告に無駄な費用を払い続けることになります。改善方法は簡単です。
問い合わせフォームに「当社を知ったきっかけ」という選択肢を追加する、電話対応時に必ず聞いてメモする、これだけです。3ヶ月データを取れば「チラシ経由5件、ホームページ経由30件」のように明確になり、どこに予算を集中すべきか一目瞭然になります。
費用対効果を計算せずに広告を続けている
広告の効果は「問い合わせ件数」だけで判断してはいけません。
重要なのは「1件の問い合わせを獲得するのにいくらかかったか」です。
例えば、チラシに月5万円使って2件の問い合わせなら、1件あたり2万5千円。ホームページ改善に月3万円使って10件の問い合わせなら、1件あたり3千円です。この計算をすれば、どちらに予算を回すべきか明確になります。
さらに、問い合わせだけでなく「実際に何件成約したか」まで追跡すれば、より正確な費用対効果が分かります。
多くの経営者は「感覚」で広告を選んでいますが、数字で判断することで、無駄なコストを大幅に削減できます。
毎月、広告媒体ごとに費用と問い合わせ件数を記録する習慣をつけましょう。
「今までやってきたから」という理由で惰性で続けている
「創業以来ずっとやっている新聞折込チラシ」「毎年更新している電話帳広告」「地元情報誌への定期掲載」。これらを効果を検証せずに続けていませんか。10年前は効果があった広告でも、今は時代が変わっています。
新聞の購読率は年々下がり、電話帳を見る人は激減し、お客様の多くはスマホで情報を探します。
「今までやってきたから」「付き合いがあるから」という理由だけで広告を続けることは、無駄なコストを生み続ける最大の原因です。まずは半年間だけ試しにやめてみる勇気も必要です。
もし問い合わせが減らなければ、その広告は実は効果がなかったということです。定期的に「この広告は本当に必要か?」と自問する習慣をつけましょう。
ターゲットが曖昧なチラシ・ポスティング
誰に何を伝えたいかが明確でない広告
「新築もリフォームも修繕も何でもできます」という内容のチラシは、一見すると幅広く訴求できそうですが、実際には誰の心にも刺さりません。人は「自分のための情報」だと思わなければ、チラシを読まずに捨ててしまいます。
「築30年以上の戸建て限定|断熱リフォームで光熱費を年間10万円削減」のように、特定のターゲットに絞り込んだメッセージの方が、反応率は5倍以上になることも珍しくありません。ターゲットを絞ることで「まさに私のことだ」と感じてもらえ、問い合わせにつながります。
あなたの工務店が最も得意とする分野、過去に喜ばれた工事内容に絞り込んでメッセージを作りましょう。
万人に向けた広告は、結局誰にも届かないのです。
配布エリアを絞らずに広範囲に撒いている
チラシ配布業者に「できるだけ多くの家に配ってください」と依頼していませんか。
対応可能な範囲を大きく超えたエリアにチラシを配布しても、問い合わせがあっても「そちらは対応エリア外です」と断ることになり、無駄なコストになります。さらに遠方からの問い合わせ対応に時間を取られ、本来対応すべき近隣の顧客への対応が疎かになります。
過去の施工実績を振り返り、実際に施工した地域、事務所から車で30分以内のエリアなど、現実的に対応可能な範囲に絞り込みましょう。エリアを絞ることで配布コストも削減でき、その分を配布頻度を増やすことに使えば、同じ予算でも認知度を高められます。「狭く深く」が、チラシ配布の鉄則です。
季節やタイミングを考えずに配布している
年間を通じて毎月同じようにチラシを配布していませんか。
リフォームの問い合わせには、明確に増える時期と減る時期があります。例えば年末の大掃除前(11月〜12月)は「ついでにリフォームも」というニーズが高まります。また、住宅ローン減税や補助金制度が始まる時期、新年度前の引っ越しシーズンなども狙い目です。
逆に真夏や年末年始は、リフォームを考える人が少なくなります。
限られた予算を、ニーズが高まるタイミングに集中投資することで、同じ枚数のチラシでも反応率を2倍以上に高められます。毎月均等に配布するのではなく、年間計画を立てて戦略的に配布しましょう。
メリハリをつけることが、費用対効果を最大化する秘訣です。
成果につながらないポータルサイトへの過剰投資
複数のポータルサイトに同時掲載している無駄
「できるだけ多くの人に見てもらいたい」という考えから、複数の住宅系ポータルサイトに同時掲載していませんか。
実は、ポータルサイトを閲覧する人は重複しており、A社のサイトを見る人はB社のサイトも見ています。月額3万円のサイトに3つ登録すれば年間108万円ものコストがかかりますが、効果は3倍にはなりません。
それよりも、最も反応が良い1〜2サイトに絞り込み、基本プランではなく上位プランで目立つ位置に掲載する方が、費用対効果は高くなります。各ポータルサイトからの問い合わせ件数と成約率を3ヶ月記録し、成果の出ていないサイトは思い切って解約しましょう。
「もったいない」と感じるかもしれませんが、効果のない広告を続ける方がもったいないのです。
掲載内容が競合と差別化できていない
ポータルサイトで同じ地域の工務店を比較すると、どこも似たような紹介文、似たような写真になっていませんか。
「丁寧な仕事」「お客様第一」といった抽象的な言葉だけでは、他社との違いが伝わりません。あなたの会社ならではの強み、例えば「自然素材専門」「断熱性能にこだわる」「予算100万円からのリフォーム対応」など、具体的な特徴を前面に出しましょう。
さらに、施工事例の写真は最低でも10件以上、できれば20件掲載し、それぞれに工事内容と費用の目安を記載します。お客様の声も、できれば顔写真付きで5件以上掲載すると信頼性が高まります。
ポータルサイトは情報量で勝負です。手を抜いた掲載では、お金を払っているだけで選ばれません。
ポータルサイトからの問い合わせ質が低い
ポータルサイト経由の問い合わせは件数が多くても、「とりあえず複数社から見積もりを取りたい」という価格比較目的の人が大半です。成約率が10%以下というケースも珍しくありません。
一方、自社ホームページや口コミ経由の問い合わせは、あなたの会社に興味を持って連絡してきているため、成約率は30%以上になることもあります。ポータルサイトの問い合わせ件数だけを見て「効果がある」と判断せず、「そのうち何件が実際に契約になったか」まで追跡しましょう。
月額費用÷成約件数で「1件の契約を獲得するのにいくらかかったか」を計算すれば、本当の費用対効果が見えてきます。場合によっては、ポータルサイトをやめて自社ホームページの改善に予算を回す方が賢明です。
看板・のぼり旗への過剰な初期投資
高額な看板を設置したものの効果が測定できない
道路沿いに数十万円、時には100万円以上かけて大型看板を設置している工務店は多いですが、その看板から実際に何件の問い合わせがあったか把握していますか。チラシやネット広告と違い、看板は効果測定が非常に難しい広告です。
問い合わせ時に「看板を見た」と言われる機会が月に1〜2回程度なら、初期投資50万円を回収するのに何年もかかってしまいます。看板を設置する前に「この場所を通る人は何人いるのか」「そのうち何%が工務店を探しているのか」を冷静に考えましょう。
すでに設置済みなら、問い合わせ時に必ず「看板を見ましたか?」と確認し、3ヶ月データを取ってください。
ほとんど効果がないと分かれば、撤去して他の広告に予算を回す判断も必要です。
視認性の低い場所に看板を出している
看板は「見てもらえなければ意味がない」のに、多くの工務店が視認性を軽視しています。交通量が少ない裏道、高速で走る車からは読めない小さな文字、木や建物に隠れて見えにくい位置など、そもそも見られていない看板にお金をかけても無駄です。
看板を設置する前に、実際に車で何度も通ってみて「本当に見えるか」「文字は読めるか」「一瞬で何の会社か分かるか」を確認しましょう。理想的な看板設置場所は、信号待ちで停車する位置から見える場所、通勤ルートで毎日通る人が多い幹線道路沿いなどです。
視認性の低い場所に看板を出すくらいなら、その予算でのぼり旗を複数購入して目立つ場所に配置する方が、費用対効果は高くなります。
デザインが古くて逆効果になっている
10年以上前に設置した色あせた看板、昭和を感じさせる古臭いデザインの看板は、集客どころか逆効果になっている可能性があります。お客様は看板を見て「この会社は今も営業しているのか」「技術も古いのではないか」と不安を感じてしまいます。
特に若い世代の顧客を獲得したい場合、古い看板は大きなマイナスです。看板は一度設置したら終わりではなく、5〜7年ごとにメンテナンスやデザイン更新が必要です。
もし予算がないなら、思い切って撤去することも選択肢です。
古い看板を残しておくより、何もない方がマシというケースもあります。
看板はあなたの会社の「顔」です。
その顔が古びていたら、会社全体の印象が悪くなることを忘れないでください。
SNS・ネット広告の非効率な運用
ターゲット設定をせずに広告を配信している
Facebook広告やInstagram広告、Google広告は、年齢、性別、地域、興味関心、年収層まで細かくターゲットを設定できる強力なツールです。
しかし多くの工務店は、この設定をほとんど行わずに「とりあえず配信」してしまっています。すると、あなたのサービスに全く興味がない人、対応エリア外の人、予算が合わない人にまで広告が表示され、クリックされるたびに無駄な広告費を消費してしまいます。
例えば「30代〜50代、持ち家、世帯年収500万円以上、○○市在住」のように絞り込めば、本当にリフォームを検討している層にだけ広告を届けられます。
ターゲット設定をするだけで、同じ予算でも問い合わせが2〜3倍に増えることも珍しくありません。
広告代理店に丸投げせず、ターゲット設定は必ず自分で確認しましょう。
クリック先のページが問い合わせしにくい
せっかく広告費をかけてクリックしてもらっても、その先のページ(ランディングページ)が悪ければ、すべてが無駄になります。
よくある失敗は、トップページに飛ばしてしまうことです。トップページは情報が多すぎて、訪問者は何をすれば良いか迷い、離脱してしまいます。
広告をクリックした人は「リフォームの相談をしたい」という明確な目的を持っているので、専用のページを用意し、問い合わせフォームや電話番号を目立つ位置に配置しましょう。さらに、スマホで見たときに文字が小さい、ボタンが押しにくい、表示が遅いといった問題があると、せっかくの広告費が無駄になります。
広告を出す前に、必ずスマホで実際に確認し、問い合わせまでスムーズに辿り着けるか検証してください。
効果が出る前に別の広告に切り替えてしまう
ネット広告は、配信開始してすぐに効果が出るわけではありません。
AIが学習してターゲットを最適化し、効果が安定するまで通常2〜4週間かかります。しかし多くの経営者は、1週間で「効果がない」と判断し、次々に別の広告に切り替えてしまいます。すると、また最初から学習が始まり、いつまでも最適化されず、無駄なテストを繰り返すことになります。
最低でも3週間は同じ広告を継続し、その間のデータを蓄積してください。その上で、クリック数、問い合わせ件数、費用対効果を分析し、改善点を見つけます。
短期間で諦めず、データに基づいて改善を繰り返すことが、ネット広告で成果を出す唯一の方法です。
焦らず、じっくり育てる姿勢が重要です。
まとめ
工務店の広告で無駄なコストが発生する最大の原因は、「効果測定をしていないこと」です。
どの広告から何件の問い合わせがあり、そのうち何件が成約したのか。この数字を把握することで、初めて正しい判断ができます。チラシ、ポータルサイト、看板、ネット広告、それぞれに適切な使い方があり、闇雲に多くの媒体に手を出すことが正解ではありません。
限られた予算を最大限に活かすには、効果測定を行い、成果の出ている広告に集中投資することです。
今月から「問い合わせ時にどこで知ったか必ず聞く」という簡単な習慣を始めるだけで、無駄なコストは見えてきます。
そして3ヶ月データを取れば、どの広告を続け、どの広告をやめるべきか明確になります。
あなたの工務店の広告予算を、本当に効果のあるものに集中させましょう。
